カタビロアメンボ科は、水面上を走り回る小さな水生カメムシで、ため池、水田、河川などに生息しています。日本からはこれまでに21種が知られていました。このうち、河川や湖に生息するナガレカタビロアメンボ属には不明種が知られており、見た目が良く似ていることから、長らくの間その正体は不明のままでした。島根県でも斐伊川の下流域に生息しています。 また、琵琶湖の個体群は明らかに既知種と異なっていることがわかり、形態を詳しく検討したところ新種であることも判明しました。学名はPseudovelia lasiomma、和名はビワコナガレカタビロアメンボです。この新種の研究は、石川県ふれあい昆虫館の渡部晃平学芸員、ホシザキ野生生物研究所の林 成多研究員の共同で実施されました。 【論文情報】 Kohei Watanabe & Masakazu Hayashi (2023) A new species of Pseudovelia Hoberlandt, 1950 (Hemiptera: Heteroptera: Veliidae) from Honshu, Japan |