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★大きなテーマは, ◆他の甲虫類も含めて新生代の昆虫化石に関する研究を行っています.特にゲンゴロウ科やガムシ科などの水生甲虫も化石として産出する機会の多い分類群であり,注目しています.日本には昆虫化石を研究している人が少なく,まだまだわからない事が多いのです. ◆化石として見つかることの多い甲虫類についても研究を進めています.特に興味のある分類群は,オサムシ亜族(いわゆるオサムシ),ハンミョウモドキ属,アオゴミムシ亜科,ゲンゴロウ科,ガムシ科,ハムシ科などの甲虫類です.当面の目標は,地理的・気候的な分布域を解明することや,特徴のある部位(例えば前胸背板)のアトラスを作ることです. ◆ネクイハムシや水生甲虫の調査を進めていく過程で,水生・湿地性昆虫の多くが生息環境の消滅や減少に直面していることを知りました.これらの甲虫類の現状や保全のあり方についても調査・研究を行いたいと考えています. ★昆虫に限らず,湿地や池などに生息する水生動植物は全般に好きです.最近ではカエル類に興味があります.また,島根県は東西に長く豊かな自然が残されている地域でありながら,ネクイハムシ亜科の記録は極端に少なく,新発見がたくさんあるのではないかと期待しています. ★島根はため池が多く,近年,止水性の甲虫類や半翅類相の解明が進んできています.一方,湿地はあまり多くありません.花崗岩地帯のため,土壌の水はけが良いことが関係しているようです.また,日本海側には,なだらかの高原状の地形も少ないのも原因でしょう.ネクイハムシもまだ5種ですが,この40年ほど見つかっていないキイロネクイハムシが再発見されるのではないかと密かに期待をしています. ★島根の川は面白いです.特に斐伊川下流域は全国的にみてもすごい場所です.この数年,ヒメドロムシ類やヒラタドロムシ類の調査をしていますが,多くの希少種が発見されています.島根県の流水性甲虫相の解明も大きなテーマとなりつつあります. ★島根の海岸も興味深いフィールドです.干潟はあまりありませんが,自然度の高い砂浜と岩礁がたくさんあります(近づけない場所も多い).海岸の昆虫は海洋汚染や人工改変,海岸浸食など多くの環境変化にさらされています.できるだけ早く,調査を進めておく必要性を感じています. ★隠岐もすばらしい所です.昆虫相の解明も進みつつありますが,まだ科レベルでみつかっていない昆虫も多いと思われます.頻繁に行くのは難しいかもしれませんが,継続的に調査を行っていくつもりです. ★これまでに発表した論文などの著作物はこちらです(常時更新しています). ●読み物・新着コーナー●
・カタビロアメンボ科の研究成果を報告しました(2023/2/15掲載) ・九州から新種のヒメドロムシを発見しました(2020/5/25掲載) ・天狗の鼻のような突起を持つゲンゴロウの幼虫が ・日本産ゲンゴロウ亜科幼虫の検索(研究報告11号より) 上手雄貴(2008)日本産ゲンゴロウ亜科幼虫概説.ホシザキグリーン財団研究報告, (11): 125-141.(PDF: 3.8MB) ・ナガハナノミのページを開設(2008/2/13作成) ・山陰のヒメドロムシ図鑑ができました(2006/2/19改訂) ・日本海沿岸の海岸性甲虫図鑑できました(2007/2/8作成) ・ヒラタドロムシ幼虫図鑑ができました(2007/1/25作成) ・Web版ネクイハムシ図鑑ができました(2005/3/3作成) ・「総説・日本のネクイハムシ亜科」正誤表(2004/2/5作成) ・隠岐島後を訪ねて(2004/8/13作成) ・モンゴルの大自然を訪ねて(2004/7/20作成) ・平田のカエルたち(2003/10/5作成) ・甲虫学会の採集会に参加して(2003/6/23作成) |
林 成多 hgf-haya(@)green-f.or.jp