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湿地の宝石−オオルリハムシ

1.主な研究テーマについて

大きなテーマは,
日本列島における甲虫相形成史の解明」です.
 このテーマに関連して,ネクイハムシ亜科甲虫類を主な材料に研究を進めています.
 ネクイハムシ亜科は,化石記録が豊富であること(湿地の堆積物からしばしば多産する),種数が極端に多くなく手頃な大きさの分類群(日本に約20種,世界に約160種の現生種)であり,甲虫相形成史の解明を進めるにあたり有用な分類群であると言えます.
 現生と化石の研究をそれぞれ同時に進めています:
日本やその周辺地域(極東ロシア,朝鮮半島,中国)のネクイハムシ亜科に関する分類学的・生物地理学的研究
後期新生代のネクイハムシ化石の分類学的,古生物地理学的,生層序学的研究

他の甲虫類も含めて新生代の昆虫化石に関する研究を行っています.特にゲンゴロウ科やガムシ科などの水生甲虫も化石として産出する機会の多い分類群であり,注目しています.日本には昆虫化石を研究している人が少なく,まだまだわからない事が多いのです.

化石として見つかることの多い甲虫類についても研究を進めています.特に興味のある分類群は,オサムシ亜族(いわゆるオサムシ),ハンミョウモドキ属,アオゴミムシ亜科,ゲンゴロウ科,ガムシ科,ハムシ科などの甲虫類です.当面の目標は,地理的・気候的な分布域を解明することや,特徴のある部位(例えば前胸背板)のアトラスを作ることです.

ネクイハムシや水生甲虫の調査を進めていく過程で,水生・湿地性昆虫の多くが生息環境の消滅や減少に直面していることを知りました.これらの甲虫類の現状や保全のあり方についても調査・研究を行いたいと考えています.

2.興味のある生物・フィールド

★昆虫に限らず,湿地や池などに生息する水生動植物は全般に好きです.最近ではカエル類に興味があります.また,島根県は東西に長く豊かな自然が残されている地域でありながら,ネクイハムシ亜科の記録は極端に少なく,新発見がたくさんあるのではないかと期待しています.

★島根はため池が多く,近年,止水性の甲虫類や半翅類相の解明が進んできています.一方,湿地はあまり多くありません.花崗岩地帯のため,土壌の水はけが良いことが関係しているようです.また,日本海側には,なだらかの高原状の地形も少ないのも原因でしょう.ネクイハムシもまだ5種ですが,この40年ほど見つかっていないキイロネクイハムシが再発見されるのではないかと密かに期待をしています.

★島根の川は面白いです.特に斐伊川下流域は全国的にみてもすごい場所です.この数年,ヒメドロムシ類ヒラタドロムシ類の調査をしていますが,多くの希少種が発見されています.島根県の流水性甲虫相の解明も大きなテーマとなりつつあります.

★島根の海岸も興味深いフィールドです.干潟はあまりありませんが,自然度の高い砂浜と岩礁がたくさんあります(近づけない場所も多い).海岸の昆虫は海洋汚染や人工改変,海岸浸食など多くの環境変化にさらされています.できるだけ早く,調査を進めておく必要性を感じています.

★隠岐もすばらしい所です.昆虫相の解明も進みつつありますが,まだ科レベルでみつかっていない昆虫も多いと思われます.頻繁に行くのは難しいかもしれませんが,継続的に調査を行っていくつもりです.

3.研究業績

★これまでに発表した論文などの著作物はこちらです(常時更新しています).

●読み物・新着コーナー●

 水生ガムシ図鑑はこちら

 日本産ヒラタドロムシ図鑑はこちら

 ・日本産ゲンゴロウ亜科幼虫の検索(研究報告11号より)

  上手雄貴(2008)日本産ゲンゴロウ亜科幼虫概説.ホシザキグリーン財団研究報告, (11): 125-141.(PDF: 3.8MB)

 ナガハナノミのページを開設(2008/2/13作成)

 山陰のヒメドロムシ図鑑ができました(2006/2/19改訂)

 ・日本海沿岸の海岸性甲虫図鑑できました(2007/2/8作成)

 ヒラタドロムシ幼虫図鑑ができました(2007/1/25作成)

 ・Web版ネクイハムシ図鑑ができました(2005/3/3作成) 

 ・「総説・日本のネクイハムシ亜科」正誤表(2004/2/5作成)

 ・隠岐島後を訪ねて(2004/8/13作成)

 ・モンゴルの大自然を訪ねて(2004/7/20作成)

 ・平田のカエルたち(2003/10/5作成)

 ・甲虫学会の採集会に参加して(2003/6/23作成)