日本甲虫学会の採集会に参加して

2003年6月14-15日に兵庫県波賀町で開催された日本甲虫学会の採集会に個人的に参加しました。甲虫学会は大阪市立自然史博物館に事務局があり、主に関西のプロやアマチュアの甲虫研究者・愛好者からなる学会です。学会誌(英文・和文誌)の発行のほか、年に数回の例会と採集会があります。今回は、甲虫の採集地として有名な波賀町の赤西渓谷での開催ということもあり、島根からも近いので自家用車で参加しました。

初日は17 時に宿に集合ということで、波賀へ行く前に大河内町の砥ノ峰高原へ寄ることにしました。朝からあいにくの雨模様でしたが、砥ノ峰高原に着くと雨はやみました。ここはススキ草原として知られていますが、谷沿いは湿地となっていて、湿地性・草原性の昆虫が多い場所として有名です。モリアオガエルやイモリを観察したり、トビケラなどの写真を撮ったりしました。わずか1頭ですが、チュウゴクオオミズクサハムシを見つけることもでき、なんとか写真に納めることができました。

少し仮眠をとってから赤西へ移動しようと思って、車の中で横になったところ、1時間も寝てしまい、宿についたのは18時過ぎでした。

宿に着くと夕食が始まったところだったのですが、参加者はほとんど関西の人たちで、近況を報告しあうなどして親睦を深めました。この日は赤西も雨だったようですが、さすが甲虫のプロばかりです。いろいろな甲虫を採集していました。また、宿で灯火をセットしていただいたのですが、天気が悪く甲虫はさっぱりでした。宿の横が川だと言うことで、トビケラやカゲロウが来ていました。川からはカジカガエルの美しい鳴き声が響いていました。

夜の懇親会では今度は島根あたりでもぜひ採集会を企画したいとのお話があり、いつかは実現させたいと思いました。まずは良いところを探さないといけないですね。

翌日は朝食後、宿前で記念撮影をして解散となりました。それぞれが思い思いの場所に散って採集となります。私は他の方の車に付いていって赤西渓谷へ行きました。2度目の赤西行きですが、今回も天気は今ひとつです。それでも虫が多く、さすが赤西です。ムネアカサルハムシやミドリカメノコハムシなどハムシが多く、写真撮影や採集を楽しむことができました。山からはアオバトやアカショウビン、カッコウなどの鳴き声が聞こえてきてなかなかいい感じです。甲虫ではありませんが、地表付近にアリスアブなどのハナアブが多く、しばし採集や撮影に夢中になりました。

昼ごろまで林道を散策し、島根へと戻りました。天気に恵まれませんでしたが、自然の豊かさを再認識できました。すばらしい場所での採集会開催を企画してくださった運営委員の方々にお礼申し上げます。(林 成多)

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