日本海沿岸の海岸性甲虫図鑑

−山陰の砂浜や礫浜、磯に生息する海岸性甲虫類の解説−

はじめに

 2006年春より多くの方々の協力を得て、島根半島を中心に山陰の海岸に生息する甲虫類の分布調査をしています。日本海は潮位差が少なく、干潟もほとんどありません。そのため、太平洋側や瀬戸内と比べて、海岸性甲虫の種類が少ないことも予想されました。しかし、海岸へ何度も通ってみると、実際には様々な甲虫が生息していることが判りました。ここでは、海岸にのみ生息する「海岸性種」に絞って、山陰の砂浜や礫浜、磯に生息する甲虫の解説をします。

 なお、このページは下記の論文に基づいて作成しています。図などのデータを作成者に無断で利用することはできません。

文献:河上康子・林 成多(2007)日本海沿岸の海岸性甲虫類の研究 (2) 島根半島.ホシザキグリーン財団研究報告, (10).37-76.(PDF: 9.5MB)

アカウミベハネカクシCafius rufescens (Sharp)


海岸性甲虫の各種の解説

その1(オサムシ科)

その2(ゲンゴロウ科、ガムシ科、エンマムシ科、ダルマガムシ科、ムクゲキノコムシ科)

その3(ハネカクシ科)

その4(コガネムシ科、チビドロムシ科、コメツキムシ科、ゴミムシダマシ科、ゾウムシ科)


参考文献

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作成者:林 成多(ホシザキグリーン財団)

?Masakazu Hayashi (Hoshizaki Green Foundation)

作成日:2007/2/8

更新日:2009/2/6(ゴミムシダマシの追加と訂正)

更新日:2007/4/5(研究報告10号のPDFをリンク)

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