九州から新種のヒメドロムシを発見しました 2018年に大分県でNPO法人・北九州魚部が野外調査中に見慣れないヒメドロムシを採集し、同定の依頼がホシザキ野生生物研究所の林 成多研究員(調査研究係長)にありました。明らかに未知の種であったため、ヒメドロムシ科などの水生甲虫類の共同研究を行っている愛媛大学ミュージアムの吉富博之准教授(昆虫分類学)と検討を行ったところ、インドネシアのシベルト島で記載されたヒメドロムシにそっくりであることが判明しました。 そこで、新種ヒョウタンヒメドロムシ(学名:Podonychus gyobu)として正式に命名し、合わせて幼虫の形態についても記載しました。学名は発見した市民団体、北九州魚部(ぎょぶ)に因んでいます。 近縁種は5000キロメートル以上も離れた南半球に分布しています。まったく思いがけない発見となりました。これほど隔離した分布になった理由はよくわかりませんが、ヒョウタンヒメドロムシ属はかつて東南アジアから東アジアに広く分布していましたが、何らかの理由でほとんどの地域で絶滅した可能性も考えられます。しかし、たいへん小さな昆虫ということもあり、今後、未発見の地域で新たに発見される可能性も高いと思われます。 論文は動物学専門のオープンアクセス雑誌Zookeys(Pensoft Publishers、ブルガリア)に2020年5月18日付で発表されました。 リンク Zookeysの該当論文 https://zookeys.pensoft.net/article/48771/
ヒョウタンヒメドロムシの成虫. |