Eubrianax nobuoi M. Sato, 1965(原記載)
Eubrianax nobuoi: Sato (1976), 佐藤(1985b), Lee et al. (1999),
Lee et al. (2001),吉富・佐藤(2003),Jach et al. (2006)
基準産地.Hatsuno, Is. Amami-Oshima.
形態的特徴.
成虫の体長は3.7-6.4 mm(佐藤,1985b).マルヒラタドロムシによく似ている.背面は全体に黒色で,前胸背板の前側方が一部白くなっている.触角や肢は黒い.雄の触角は櫛ヒゲ状で(第1,2節は短く分岐しない),各節の先端付近で分岐する.雌の触角は鋸歯状.体型でも雌雄差は明瞭で,雌は雄に比べて大型で体幅が広い.腹部は雌雄共に黒色.
蛹は未確認.
幼虫は若齢の個体のみを確認しているが,前胸背板中央部の縫合線上に菱形の小片が認められる.
卵は未確認.
生態.成虫は4,5月を中心に3月から6月まで出現記録がある.成虫は日中,川辺の草や広葉樹の葉裏などで静止している.奄美大島での観察では,オオシママルヒラタドロムシのように源流域には生息せず,より下流側に生息する.6月末の川内川中流での観察では,成虫は確認できず,幼虫は流れの緩い場所の石下に若齢個体のみがみられた.このことから,卵から成虫までの期間は1年であるとみられる.
分布.奄美大島.
備考.和名にアマミとつくが,学名のE. amamiensisはオオシママルヒラタドロムシのことであり,注意が必要.
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