ガムシ属 Hydrophilus

日本産ガムシ属には,ガムシHydrophilus acuminatus(全国),コガタガムシHydrophilus bilineatus cashimirensis(西日本以南),エゾガムシHydrophilus dauricus(北海道)の3種がいる.島根県ではガムシが多く,コガタガムシの記録もあるが少ない.筆者が検討した幼虫はガムシ1種のみである.※カッコ内は国内分布.

ガムシは水生植物の豊富なため池に生息する.幼虫は丘陵地や山間の休耕田や水田でみられるが,水田で幼虫をみかけることは少ない.

卵(卵嚢)は独特の形状をしており,水面に浮いている.

ガムシ1齢幼虫.

70%アルコール液浸標本のため,腹部が縮んでいる.腹部側面や尾端の肉質の突起がある.大顎は左右不対称で,右側の大顎の内側に歯がある.

スケール1mm.

ガムシ3齢幼虫.

50mm近くの大きさになり,かなり迫力がある.背中に縦方向の模様があり,巨大なヒルのよう.大顎や腹部の突起の構造は1齢幼虫と変わらない.体が大きくなるため突起は相対的に小さく見える.

スケール10mm(目盛りは1mm).

メスは水草や枯れ葉を利用して卵嚢を作る.中に多数の卵があり,幼虫はほぼ一斉に孵化する.

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