平成18年度事業報告
(自:平成18年4月1日 至:平成19年3月31日)


【概要】
 特定公益増進法人として、野生動植物の保護繁殖、自然環境保全に資する事業を推進し、社会貢献につとめた。実施した主な事業は次のとおりである。

氈D事業部門
1.野生生物研究所事業 (寄付行為第4条第1項、第2項該当事業)
(1) 財団の事業を総括し幅広い事業を展開するべく運営を行った。
(2) ホシザキ野生生物研究所の新館を宍道湖グリーンパークの園内に建設した。
(3) 研究に必要な備品の管理や収集した資料(文献・標本等)の整理など研究基盤の整備を行った。

2.宍道湖グリーンパーク事業 (寄付行為第4条第1項、第2項該当事業)
(1) 宍道湖グリーンパークおよびビオトープ池の適切な管理を行った。
(2) 園内の維持管理(除草作業など)は昆虫や野鳥など野生動植物の生息に配慮して実施し、一部の作業はパークボランティアの協力も得て実施した。
(3) 水鳥の飛来などに配慮しながら、ビオトープ池の環境を維持するために除草作業や水位管理を実施した。
(4) 白鳥の採食場として、グリーンパーク周辺農地約10haに地権者の協力を得て水を張り、飛来環境の整備を実施した。
(5) 野鳥観察舎等で年間12,099人の利用者があった。
(6) グリーンパーク利用者の申込みに応じて観察会等の対応を行った(年間42回、のべ1,156人)。
(7) 野鳥観察舎において企画展「宍道湖とグリーンパークの写真展」を開催した。
(8) 宍道湖・中海のラムサール条約に関係したパネル展示を更新した。

3.尺の内公園事業 (寄付行為第4条第1項、第5項該当事業)
(1) 尺の内公園の適切な管理を行った。
(2) 園内の維持管理(除草作業など)は昆虫や野鳥など野生動植物の生息に配慮して実施した。
(3) 尺の内公園の適切な維持管理に役立てるため、鳥類や昆虫類などの生物のモニタリング調査を実施した。
(4) 園内にオニバスやオキナグサなどの希少な植物の移植を試みた。

4.調査研究事業 (寄付行為第4条第2項、第3項該当事業)
(1)研究員による自主研究を次の課題で取り組んだ。
〈鳥類研究〉
@グリーンパークの人工営巣壁におけるカワセミの繁殖調査
Aマガン・ヒシクイ・コハクチョウの日周行動特性の研究
Bビオトープ池の鳥類調査
C尺の内公園の鳥類調査
Dコハクチョウ・ヒシクイのビルパターン解析手法の基礎研究
Eグリーンパークおよびその周辺の鳥類の季節変動の研究
F白鳥の採食場の利用状況調査
〈昆虫研究〉
@ネクイハムシ亜科の進化生物学的研究
A島根県の水生昆虫類の保全生物学的研究
B島根半島の生物相に関する研究
C山陰の海岸に生息する昆虫類に関する研究
Dビオトープ池の昆虫類調査
E尺の内公園の昆虫類調査
Fナゴヤサナエの羽化殻による発生消長の調査
〈その他〉
@宍道湖西岸における漂着物の調査
A多自然型湖岸堤における水生生物相の調査

(2)委託調査研究として「山陰のブナ帯にすむ節足動物の生息実態調査」、「宍道湖・中海に生育する水草類の分子系統解析」など6課題を委託して実施した。
(3)7名の客員研究員を委嘱して研究体制を強化した。
(4)学会や研修会等で5題の発表を行った。
(5)財団研究報告書や他団体発行誌に22題の研究論文を発表した。

5.普及啓発事業 (寄付行為第4項第2項該当事業)
(1) 宍道湖グリーンパーク10周年記念として、以下のイベントを開催した。
・ 毎月第一土日の企画イベント(20回)。
・ 「宍道湖の夕べ」コンサートの開催(9/1)。
・ 「安西先生とバードウォッチングin宍道湖」の開催(2/25)。
(2)自然観察会を宍道湖グリーンパーク(12回)と尺の内公園(6回)で定期的に実施した。
(3)グリーンパークではパークボランティアの協力を得て観察会の充実を図った。
(4)ボランティア研修として「ガンカモティーチャーズガイド(日本野鳥の会)」を開催した(3/10)。
(5)小中学校や地方公共団体等が主催する観察会や研修会等に講師を派遣した(68回)。
(6)連続講座「尺の内公園昆虫クラブ」を実施した(5回)。
(7)ニュースレター「HOWP」を発行(3−6号)し、自然情報等の発信に努めた。
(8)ホームページを随時更新し、野生動植物やイベントなどの情報発信に努めた。
(9)山陰中央新報「こどもKidsいきもの探検」の連載に協力した(22回)。
(10)山陰中央新報「ラムサール条約登録1周年 宍道湖・中海の仲間たち」の連載に協力した(70回)。
(11)各種イベントや企画展を主催したほか、東アジア環境教育ミーティングなどの共催・協力事業を行った。

6.情報収集発信事業
(1)文献、標本、写真、映像などの資料収集・整理につとめた。
文献・図書は、購入602冊、寄贈・交換2,714冊、計3,316冊を取得した。
(2)「ホシザキグリーン財団研究報告第10号」を発行した(原著論文・短報25題、332pp.)。
(3)グリーンパークで観察された鳥類の10年間の記録や写真をとりまとめた小冊子「グリーンパークでBird Watching」を発行した(A5版、66pp.)。

7.地方公共団体からの受託事業
(1)島根県立宍道湖自然館管理運営業務(指定管理、主管課:島根県水産課)
   宍道湖自然館ゴビウスの管理運営を行った。事業の詳細は別資料(宍道湖自然館館報No.6)。
(2)鳥類生息調査業務(受託先:島根県森林整備課)
室神山、志津見鳥獣保護区の鳥類調査を実施した。また日本野鳥の会島根県支部の協力を得て、宍道湖・中海など主要な渡来地でカモ科鳥類の個体数調査を実施した。
 (3)自然環境調査研究業務(受託先:出雲市)
平田地域の河川に生息するホタル類、カワガラス、オオルリの生息調査や希少種調査を実施した。また、その成果を小冊子「平田のホタルと川にすむ希少な生きもの」(31pp.)にまとめた。
(4)宍道湖公園利便施設管理業務(指定管理:出雲市)
    宍道湖公園利便施設多目的棟の管理業務を行った。
(5)河川調査業務(受託先:島根県)
島根野生生物研究会の協力を得て、江の川水系の魚類調査ならびにアカヒレタビラ生息状況調査を実施した。
(6)斐伊川水系環境学習運営業務(受託先:国土交通省)
   斐伊川水系をテーマにした環境学習・自然観察会を実施した。
(7)宍道湖・中海の賢明な利用のための普及啓発事業(受託先:島根県環境政策課)
   両湖のラムサール条約湿地の登録に伴う普及事業や資料作成業務などを行った。
(8)宍道湖・中海観鳥マップ作成業務(受託先:島根県)
    両湖のラムサール条約湿地の登録に伴うリーフレット作成業務を行った。

.管理部門
1.監査
平成18年6月1日に高橋良昌監事、高橋康夫監事により平成17年度一般会計及び業務の監査を受け、会計及び業務とも適正と認められた。

2.役員会
  平成18年6月8日 第1回理事会、評議員会
・平成17年度の事業報告を承認
・平成17年度の決算報告を承認
・評議員の改選を承認
  平成19年3月28日 第2回理事会、評議員会
・平成18年度の収支予算の変更を承認
・平成19年度の事業計画を承認
・平成19年度の収支予算を承認

【組織】
  理事長以下、理事12名、評議員16名、職員28名で管理運営にあたった。(平成19年3月31日現在)